法人の破産は精算(法人の消滅)ですが、個人破産は支払不能状態になった人を救済する法的制度です。
破産者の烙印を押すことではないのです。したがって、選挙権などもあり、社会生活上の支障は一般に思われているようなものはほとんどありません。
破産の申立
前述の長期分割返済が到底不可能な状況にある場合この手続きをとります。
まず破産申立書を必要書類と共に住所地を管轄する地方裁判所に提出します。
(破産申立書の形式はここをクリック)
【破産申立書はこうして書こう!】
通常の個人破産の場合は、同時廃止という手続をとります。個人破産のほとんどの場合、資産がないので、これを換価して債権者に配当する手続きがとれません。また、管財人等に支払うべき費用も捻出できないので、破産手続を行わない(廃止)するわけです。
申立の理由は、結論的には支払不能状態であることです。但し、支払不能状態に至った経緯を記載し生ればなりません。別紙のフォームでは、それらの経緯を申立書には書かず添付書類としての「陳述書」に書く形式になっています。そこでは、相当に細かく借入等の経緯を書かねばなりません。そして、どこから、いつ、いくら借りたかを一覧表にする必要があります。更に、戸籍謄本、住民票、税金関係書類、所得関係書類等、種々の書類を添付する必要があります。
破産審尋期日
【どきどき!裁判官との面接です】
破産申立をすると、しばらくして、裁判所から審尋期日が指定されます。(裁判所によって異なるが、申立日から2ヶ月前後経った日)その期日には、申立人(代理人弁護士を立てたときは弁護士と同行)が出頭しなければなりません。そこで、裁判官から借入の経緯や現在の生活状況等を聞かれます。裁判官は、予め申立書・添付書類を読んでいますから、時間的には長くはかかりません。(5分〜10分くらい)その結果、支払不能状態であることが認定されると、その日に破産宣告が為されます。
【余分な財産は残せない】
破産→免責という制度は、債務を支払わなくてよいことにする手続ですから、財産を残しておくことは認められません。実務上、問題となる財産は次のとおりです。
@不動産
A自動車
B生命保険(解約金あるもの)
C退職金
Dその他貴金属等
@不動産も、住宅ローンなどの抵当権がついており、その債権額が不動産の時価よりも多額な場合(オーバーローン)
破産、同時廃止が認められます。
A自動車は、査定額がほとんどないか、5万円以下くらいですと、保有が認められます。
B生命保険も定期預金的な財産とみなされますが、解約金が5〜6万円くらいならそのままで大丈夫です。
C退職金も財産とみなされます。東京地方裁判所などでは、今退職した場合の退職金に対し、その1/8を債権者に配当するよう指示されますが、その額が前記した程度の額ならば配当しなくてすみます。
D貴金属等も前記と同様です。
免 責
【免責されなきゃ意味がない!!】
免責の申立は、破産宣告から30日以内いなさなければなりませんが、通常、破産宣告の日にしており、裁判所からもそのように言われます。免責の申立には、破産申立に添付したものがすべて援用されるので、債権者一覧表と免責のための簡単な陳述書だけが必要になります。
【これがあったら観念しましょう!?】
免責は、債権者を犠牲にすることになるので、一定の事由あるときは免責されません。
個人破産手続において実務上問題となるもの(免責不許可事由)は次のとおりです。
@浪費
A賭博
B詐欺的借入
C自己の不法行為によって生じた債務
Dその他
@浪費、A賭博をしたために借金が増えたとき、B嘘をついて借入した場合、その程度が重くないときは一定の額(大体総債務額の1割程度)を各債権者に平等に配当することが条件に免責が認められます。(裁量的免責)
C不法行為については、ケースバイケースですが、仮に、その債務が免責されないとしても、免責決定は得ることが出来ます(当該、債務に対しては支払義務が残ります)これと同じ債務に公租公課(税金)があります。
免責不許可事由があるかないかについては、実務上、破産の審尋の時にチェックされます。免責を申立てると、2ヶ月前後を経た日を免責審尋期日に指定されるので、申立人(破産者)は同日に裁判所に出頭しなければなりません。裁判所は、免責審尋期日から約1ヶ月を債権者の異議申立期間とし、その間に異議が出ないときは、免責決定をします。異議が出たときは申立人(破産者。代理人弁護士がついているときは、その弁護士)に通知し、異議に対し、意見を提出させます。そして、裁判所は両者の言い分を聞いた上で、免責するかしないかの決定をします。
【免責確定!!】
免責決定は、申立人(代理人弁護士がついているときはその弁護士)に送付されます。その後、裁判所は免責決定した旨を官報に掲載し、その日から2週間すると免責決定は確定します。そして、破産者は法的に債務の支払を免除されます。したがって、給与を差し押さえられたりしていても、その時点で差押は効力を失います。
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