この中でほとんどを占めるのが「夫婦関係調整」と「遺産分割」なのでこれらについて説明します。
【夫婦関係調整】
調整と言うよりも離婚調停と一般に言われるものです。離婚には、協議離婚、調停離婚、判決による離婚と三種類ありますが、当事者間の話し合い(協議)が整わない場合に、この調停を申し立てます。離婚はいきなり訴訟でというわけにはゆかず、調停でも解決し得なかったときに訴訟を提起することになります。(調停前置主義)この調停で問題となる事項は、
@.離婚するかしないか
A.子の親権、監護権をどちらが持つか
B.子の扶養料(離婚した場合配偶者に扶養料はありません)
C.財産分与
D.慰謝料
以上の問題につき、調停委員のあっせんや意見などを考慮して合意するか、しないかは、当事者の自由意思に委ねられます。不幸にして調停成立しなかったときは、訴訟と言うことになりますが、その場合は相手方(被告)に法定の離婚原因があるかどうかが争点となります。離婚原因は以下のとおり。
@不貞行為
A悪意の遺棄(相手方が家に帰ってこなかったり、生活費を入れてくれない等の場合)
B相手方が3年以上生死不明の時
C相手方が強度の精神病で回復の見込みがないとき
Dその他結婚生活を継続しがたい重大な事由あるとき
近頃は、相手方に上記のような事由が何もなくても、とにかく一緒にいるのが嫌で離婚したいというケースが多いようですが、 それは原則として認められません。(有責主義)しかし、上記事由はないが「性格の不一致」という伝家の宝刀のような事由があり、こればかりは、他人がとやかく言うことが出来ません。また、近時裁判所は上記Dの理由によって離婚を認める傾向にあるようです。(破綻主義)ですから、性格の不一致によりどうしても共同生活ができないという場合も、それが単なるわがままでない限り離婚が認められる可能性が高くなってきました。
【遺産分割調停】
相続人間で、遺産分割の協議が整わなかったとき、この調停を申し立てます。大戦後の新民法により、長男一人が相続する(家督相続)制度がなくなったので、永年音信不通だった子(死んでしまっていれば更にその子が代襲相続する)などが、親が死んだ知って急に現れたりすることがあります。そして、権利主張されたりするとなかなか遺産分割協議はまとまりません。
【法定相続分について】
相続分(配分)は法定されています。配偶者と子供達が相続人の場合、配偶者は1/2、残り1/2を子供達が均等に分けると定められています。相続人間で、それぞれ言い分があってまとまらなかったから調停になるわけですが、調停では大体相続分にしたがった遺産分割でまとまるケースが多いようです。但し、以下の場合は法定相続分は修正されます。
寄与分(この分を相続財産としない)
例えば、長男が家業を継いで父親とともに永年働いて財産を増やした場合、長男の寄与分を定め(相続人間の協議又は調停によって)その分は長男固有の財産とするものです。(民法904条の2)
特別受益
被相続人(死亡した人)から生前に結婚とか修学のため、他の者以上に贈与を受けた者がいる場合は、その贈与分を現在の相続財産にプラスして各自の相続分を計算し、贈与を受けた者については、そこから贈与分を差し引いたものを相続財産とします。差し引いた結果、ゼロ又はマイナスの場合は、その者は相続分を受けることが出来ません。(民法903条)この場合、相続しなかったということではありません。相続分がないということであり、相続はしているので、被相続人に債務が有ればそれは引き継ぐことになるので要注意です。(そういうときは相続放棄の申述を家庭裁判所にするべきです。但し、相続開始つまり被相続人の死亡を知ったときから3ヶ月以内にしなければなりません)
相続人の中に行方不明者がいるときは、家庭裁判所に「不在者の財産管理人選任申立」をし、管理人を定めてもらいます。管理人は大体弁護士がなりますが、申立人の推薦した人でかまいません。そして、他の相続人は管理人と遺産分割協議をすることになります。
相続人全員が相続放棄したが、抵当権のついた不動産などがあるときには、これを処分しなければなりません。この場合は「相続財産管理人」が債権者の申立によって任命され、その管理人が被相続人の立場となって処理をすることになります。
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